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清岡幸道のうつわ 

フィールドオブクラフト倉敷 と「おぬし」

第8回フィールド オブ クラフト倉敷に出展します。

2013年5月11日(土)-12日(日) 
 
10:00~17:00  ※雨天決行   

 倉敷市芸文館前広場






3年前、初出展の時の事。



「おぬしっ!」

僕も含め、辺りにいた全員が振り返った。

「……?」

「これはおぬしが作ったものかっ?!」

作務衣を着た高齢の男性が、僕のテントで大声で尋ねてきた。

(おぬしは… オレか…)

「…は?」

「これはおぬしが作ったものか、と聞いとるのじゃ」

「…はい。 全てそうですが…」

「おぬしの作るこの急須はお茶の作法から完全に外れとる!」

「…」

「おぬしそれを知っていて作っておるのか?」

「実はそれは急須ではなく、コーヒーを入れる為の道具として作ったコーヒーサーバーですが…火にもかけられます。
上にのっているのはコーヒー豆の粉を入れる為のドリッパーというものです。お茶の事は詳しく無いのですが、よく似てるのですか?」

その男性は大柄で声も大きかった為、テントの中にいる他のお客さんからの注目を一身に浴びていたので、僕も出来る限り言葉を選び説明した。

「そうであったか。おぬしの作るものは紛らわしいものばかりじゃな。フライパンみたいなのも作っておるし。フハハ」

誇り高き男の引き下がれない心情もよくわかっている。

男性は笑いながら出て行かれた。



夕方、その男性が再び来られた。

僕の湯のみを手にとり、「この汲み出しは良いぞ。これを貰う。」

少し気恥ずかしそうに見えた。

多分、僕に気を使っていたのだろう。



それから、その男性にお茶を習い始めた時の話やお茶の作法の事などを教えて頂いた。



「昼間、わしは何か余計な事を言ったみたいじゃのう…」


「いえ…」



微妙なエピソードではあるが、初出展で多少の緊張もあったので(おぬしと呼ばれた事も初めてで)この男性の事はよく覚えている。

その男性は次の年も、僕のテントを覗きに来られた。

そんな再会もやはり嬉しいものだ。



野外では僕の器に興味ある人、そうで無い人にも大勢見て貰える。

そんな方々とのやり取りもまた楽しい。




倉敷までいよいよあと一週間と迫りました。

お越しの際はどうぞ気軽にお立ち寄り下さい。





フィールドオブクラフト倉敷 と「おぬし」_e0271335_8572827.jpg




近日予定

5.25,26    クラフトフェアまつもと
            (長野.松本市)

5.29-6.15   sizuku 三人展
            (大阪.堺市)


各展示の詳細は後日お知らせします。
by corn7sk | 2013-05-03 11:17 | 仕事